漢方 亀命堂薬局   薬草屋 きめいどう | 日記 | 冷え込みます。冷えからの病気、まずは風邪などの即効治療について。その3


2011/12/06
冷え込みます。冷えからの病気、まずは風邪などの即効治療について。その3


前回は発病初期の桂枝湯とそれに続く時期の葛根湯、麻黄湯を紹介しましたが、今回は「陰証」の風邪についてです。

実は陰証男の風邪は陰証として発病するものと、陽症から陰証に変化する(「陰証に陥る」と表現することがあります。これは陰証のほうが深刻、重態な症状になりやすいことを示しています。)ものがあります。

陰証として発病するのは専門的には「直中の少陰(じきちゅうのしょういん)」と表現します。

初期から寒いばかりで身体が重くなる、気力もないような状態になります。布団に入っても一向に温かくならず、特に背中の悪寒(背悪寒)が目立つ。
体温が39℃を越すような高熱でも上記の症状群があればこれは陰証の重症です。熱が高くても悪寒ばかり強く、顔色も蒼白や血色の悪い状態になるものです。なりより身体が重くて動けない。

初期にこういう症状のときは「真武湯」を使用します。
このような症状の風邪になる方は実はずいぶん多く、熱がないから軽症などと決め付けられ、つらい思いをすることが多いものです。
陰証は陽症のように頭痛や項の強ばりのような上から起こる症状ではなく、身体の下から発症します。下から寒邪に侵襲され、下半身前面の下腹部、もしくは下半身後面の腰部腎臓部に、病気が重いと前後両方に症状が出ます。
消化器系と、泌尿器系ですので便通と尿利に病的変化が起こります。

「真武湯」は下半身後面の腎臓(漢方医学では「腎」で現在の腎臓という臓器そのものでなない)を寒邪に侵襲された「少陰病」という状態の治療の主体となる処方で、軽症から相当な重症まで使用できる処方です。
「少陰の葛根湯」という表現があるくらいですので陰証の風邪の重要処方であることが理解できると思います。

腎臓系統ですから尿は頻数(ひんさくと読みます:頻尿ですが、色の薄い黄色味のない透明なことが多く、量も少ないことが多い)またはかえって遠くなりこともあります。
体内の「水毒」、この場合は体内に過剰に滞留して冷えた水分でこれは胃にも溜まるし、呼吸器にも発生しますがこれが病状の本態と考えます。

真武湯が効くと、気持ちよく尿利が付いて身体が温まり、ひどく重かった身体も軽くなります。時に葛根湯が効いたとき以上の大発汗で軽快することもあります。

真武湯の症状は全身に及び、重症化すると背中ばかりでなく腹部も冷えて下痢を起こし、胃では嘔吐、胸郭部ではセキ、頭部では動揺性や回転性のめまいを起こします。
応用して慢性病や難病にも広く使われる効果がある処方なのです。



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