創業85年の漢方薬局です。昔からの本物の漢方薬「煎じ薬」をおすすめしています。
2012/11/20
11月23日、営業します。 11:00~17:00の予定です。
2012/10/24
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2012/08/27
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漢方薬で身体を温めるときに私たちが考えることはいろいろあります。
服用する方のつらい症状とともに、冷えには関係なさそうな身体の状態もお聞きして的確な漢方薬を選択していきます。
「冷える」、「寒い」
寒冷といいますが、寒は外気の温度低下による感覚、風邪の初期の悪寒(寒くなくてもゾクゾクと寒気がすること。このごろは悪寒という言葉が通用しない人が多いですね)も典型的な「寒」です。 風邪は「寒邪」という悪いものが体内に侵入して起こす病気です。夏の冷房の効き過ぎも「寒い」ですね。寒ければすぐ手当てをすればいいんです。
温度が下がって温かさが失われると「冷え」ます。そう、冷蔵庫の冷。寒さの強いときも冷えこむなどとといいますね。
身体が体温を奪われたのが冷えで、これは風邪や膀胱炎などの大きな原因です。これはまず誰でも自覚することが多いもので、神経活動の低下した高齢者やまた個人差で冷えを感じにくい人もいます。また、虚弱体質のいかにもひ弱な人が強い寒さでも冷えをあまり感じないこともあります。
急な冷えのときは風邪の予防の目的も含めて「桂枝湯」や「麻黄附子細辛湯」など風邪の初期の処方で温めるものをよくおすすめします。
また、「当帰」の配合された漢方処方もよい効果があり熱い湯で薄めて飲む女性の薬「婦宝当帰膏」は甘味があり飲みやすく即効性であり、慢性の冷えの改善にも単独で、また必要に応じ他の漢方薬とも併用します。
問題なのは冷えているのにご本人には冷えの自覚がないときで、「婦宝当帰膏」を試飲して頂くとすぐに腹部や足まで温まり、いままで冷えを自覚していないのが分かる方もよくいます。
冷えは慣れて分からなくなったために自覚症状でないことが多く、相談中にお聞きしたお体の状態から足、下腹部、背部、胃腸などの冷えを推定します。
冷えはいろいろあります。
体温を産生する能力が低いか落ちている時
低体温が典型的で漢方では「腎」「心」の機能低下と先天的な能力不足などを考えます。
産生した体温を血流が運ぶ能力の低下、血液の能力不足。
汚れた血液が循環を阻害するのが「瘀血」。血液の能力不足、量的不足が「血虚」で漢方では結構複雑ですが、貧血や低血圧と思ってください。
エネルギー不足でも冷えます。
食事の量と内容、食事時間、食べ方などに問題があるときは漢方薬に加え、良質のサプリメントをおすすめすることがあります。
亀命堂は薬局ですので医薬品と同等の基準でサプリメントを検証したうえで推奨しています。
サプリメントは薬局で薬剤師から説明指導を受け購入しましょう。
エネルギー不足には大きな原因がまだあり、消化吸収能力の低下を考えます。「脾胃の虚」といいます。「脾」は解剖学的な脾臓ではなく概念的な要素の強い表現で、飲食をエネルギーに変えて全身に輸送する能力みたいに考えてください。
「食べなければ死んでしまう。」「じゃあ、食べてれば死なないのか?」「いやぁ、食べていてもいつかは死ぬんだが。」とういうことですが、食べなければ死んでしまうというのが「後天の本」の「脾」のつかさどるところ、食べていてもいつかは死ぬというのが「先天の本」である「腎」のつかさどるところです。
「脾胃の虚」には「六君子湯」をよく使用します。脾胃の虚は血虚を兼ねることが多いので、「当帰」配合の処方との併用が必要なことがよくあります。朝鮮人参と朝鮮人参を配合した処方が効くことが多いですね。
「腎虚」も冷えます。典型的なのは老化。近年はよくエージングといいます。
これには朝鮮人参、附子(猛毒のトリカブトの根を加熱減毒したもの)などの配合処方を使用します。「八味丸」が代表処方。若年でも腎虚と考えられる場合にも使用します。
ストレスの影響がある冷え。
近年増加傾向なのがストレスの影響。自律神経失調なども多彩な症状が発現消失あるいは混在しますが、冷えととともに熱感やのぼせが併発することもよくあります。
亀命堂薬局では「加味帰脾湯」「桂枝竜骨牡蠣湯」などを基本に効果を挙げています。基本処方に加え、必要な漢方薬の併用をおすすめすることがどうしても多くなります。
いかがでしょうか、冷えの漢方。漢方は応用の世界です。この病気にはこの薬などというのは大変珍しい本当のレアケースで、症状を訴える患者さんの全体を見て的確な処方を判断すのが鉄則です。販売される漢方薬の添付文書の効能効果の表現は役人の認可したもので、漢方薬の理論や実践とは乖離していて、漢方薬をおすすめする立場からは邪魔になることはあっても役に立つことはまずありません。漢方処方や生薬の性質や使い方とは関係のない症状の羅列ですから当然です。
パッケージや添付文書の効能効果は鵜呑みにせずに必ずご相談ください。 時間のある限り説明指導いたします。