漢方　亀命堂薬局　　　薬草屋　きめいどう | 日記 | 海軍記念日　坂の上の雲　結核

　明治３８年の５月２７，２８日は日露戦争の日本海大海戦で東郷平八郎率いる聯合艦隊がロシアの第２、第３太平洋艦隊（バルチック艦隊）に掛け値なしの大勝利を挙げた日です。昭和２０年までは５月２７日が海軍記念日でした。ここ２年ほどはNHKテレビの「坂の上の雲」が放送され、秋山好古、真之兄弟の知名度が上ってきましたが弟の真之が海戦の作戦を立案したのは有名ですね。NHK「坂の上の雲」も日清戦争で秋山真之乗組の巡洋艦筑紫も登場し、今年の暮の放送では日露戦争に突入、旅順要塞攻略戦とともに日本海大海戦が見られます。

　「坂の上の雲」のもう一人の主人公、正岡子規は結核で３４歳という若さで病没します。明治２９年には樋口一葉が同じ肺結核で夭逝、結核は重大な病気でした。坂の上の雲の小説のほうでは正岡子規はすっぽんの生血を飲む表現があったように記憶しています。朝鮮人参は体質を選ぶ傾向が強いのですが、症状の落ち着いている時期に（喀血などがない）現代より栄養状態のよくない明治時代や戦前にはよい効果がありました。中国漢方をかじった人は朝鮮人参は結核に肺に熱があるので逆効果、死期を早めるなどと頭ごなしに否定しますが、中国漢方の教科書にも肺結核に使用することが記載されていますし、同じ肺の熱の慢性気管支炎、喘息などの治療に用いる処方にもよく配合されます。中国漢方の理論の表面と一部しか見ていないのですね。
　江戸時代には中国の医者は理屈は立派だが病気を治せないというのは日本では定評だったようです。もっとも現代の中国漢方は毛沢東の指示で３０年ほど前に作られたものですが。
　近年、結核は増加傾向にあり、伝染する病気ですので問題化しています。病院での院内感染や　老人ホームのような共同生活的な環境も心配ですし、東北大地震の避難所などは結核に限らず感染症予防は大きな課題です。抗結核薬服用の患者さんには薬剤師は自宅に訪問して服薬指導することもあります。（しっかり治して結核菌を撒き散らさないように）
　結核菌に接触しても必ず感染するのではなく、個人個人の抵抗力も問題ですね。
　
結核に限らず、気管支炎、喘息、長く続くせきなど呼吸器の病気のご心配な方は漢方治療、体質強化、抵抗力の増強などご相談ください。